ご挨拶

第18回学術大会開催にあたって

日本歯科衛生学会第18回学術大会が静岡県静岡市で開催されるにあたりご挨拶を申し上げます。開催にあたり、静岡県、静岡市、一般社団法人静岡県歯科医師会、一般社団法人静岡市静岡歯科医師会、一般社団法人静岡市清水歯科医師会のご後援を賜りましたことに深く感謝申し上げます。

今回は新型コロナウイルス感染症拡大後、初めてのハイブリッド形式開催になります。初開催の静岡県から、ウイズコロナ新時代の学会第1歩を踏み出す期待と責任を強く感じています。初めての学会開催準備を進める中で、思いがけないほど多くの方々から温かい励ましのお言葉やご支援を頂きました。まるで目に見えない糸が紡がれて丈夫で大きな布になり、人々を優しく包んでいくようです。まさに、時代が求めていたのはこの糸を織る力です。そして今大会のメインテーマは、「人生100年時代、求められる地域医療連携とは－歯科衛生士の専門性を探る－」です。シンポジウムでは「がん患者を支える地域連携の重要性　静岡がんセンターの取り組み」を、特別講演では「患者の声から考える医療」を、教育講演では「未来につなぐ齲蝕予防戦略として周産期口腔保健の可能性を探索する — マイナス１歳からはじめるむし歯予防 —」を地域の先生方にお話し頂けることになりました。これら個々の糸が紡いだ布に、社会が優しく包まれる時代がすぐそこに来ています。たとえ一人一人の糸が細く短くても、数々の個性や能力が織り込まれ、社会を守る頼もしい布になる様が見えるようで楽しみです。

さて、静岡県は日本のほぼ中央に位置し、太平洋に面して東西155㎞、南北118㎞の距離があり、約7.8万㎢の広大な面積を有しています。遠州灘、駿河湾、相模灘に沿った約500キロメートルの海岸線を南側に、北側は富士山など3000メートル級の山々からなる北部山岳地帯が、東西に長い地形を囲んでいて、海や山、湖などバラエティに富んだ自然は、日本の豊かな風土の縮図ともいえます。県民フォーラム「百年後の静岡が豊かであるために」では、ふじのくに地球環境史ミュージアム館長の佐藤洋一郎先生に、そのSDGsな魅力についてご講演いただきます。学会会場である静岡県静岡市の清水区や隣接する焼津市には大きい漁港があり、その近辺で提供される魚（特に赤色の鮪、鰹、桜えび等）の味は格別です。どうぞ、足を運んでいただき豊かな自然を満喫していただきたいと思います。

最後になりましたが、本大会の開催にあたり、特段のご配慮を賜りました関係諸機関、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。